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白銀色の月光を浴びて、狂ってしまったのは世界?それとも私?

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平松令三氏の『親鸞』を読むーーその3

平松令三氏の『親鸞』<吉川弘文館歴史文化ライブラリー>の読み、続けてみましょう。

さて常陸へ移住してからの親鸞の事跡となると、謎だらけです。
戦国期の著書『反古裏書』は、関東へ入った親鸞が常陸の下妻小島に三年、稲田に十年居住したという伝承を記しているといい、下妻に居住したことは、恵信尼の書状からも確認できます。ただし、親鸞がなぜこの地を選んだかを示唆するような史料は存在しないのですが、平松氏は、「親鸞が善光寺勧進聖となって関東へ入ったこと、そしてこの筑波山麓一帯を支配していた八田氏に濃厚な善光寺信仰が見られることを思い合わせるならば、答えはおのずから明確であろう」(上掲書173頁)と、善光寺信仰とのつながりを重視して分析しています。
八田氏は宇都宮氏の分流で、初代知家は常陸国守護に任じられ、常陸国南部を支配していました。「その知家は法号を新善光寺殿といい、嫡子知重は定善光寺殿道義と称され、三代の泰知を除いて八田氏代々は、小野邑(新治村)の善光寺に葬られたと伝え(『茨城県史』第六章第一節)、善光寺に対して格別の信仰を持っていた、と思われる」(上掲書173-5頁)といいます。

【関東での行実】
上述のように、その後親鸞は、建保五年(1217)前後(四十五歳頃)に下妻から稲田に移るのですが、平松氏は、今度は稲田から15キロほどのところに位置する高田専修寺に注目します。
高田専修寺の開基は親鸞の門弟・真仏だと考えられます。ここでもキーワードは善光寺信仰です。
「真仏は筑波山の西麓真壁郡椎尾の在地領主椎尾氏の出身とされるが、この地域は善光寺と深い関係のあった高野聖明遍の弟子敬仏が念仏聖として活躍しており、「真仏」という法名はこの敬仏門下であったことを思わせるので、真仏が善光寺聖となっていた可能性がある。彼が高田に来た理由は審らかでないが、高田の在地領主大内氏と椎尾氏との縁故関係などが考えられ、高田に存在していた古代寺院を継承するとともに、そこに善光寺式阿弥陀三尊像を安置する堂を建立したと推定される。
 真仏が親鸞に帰依したのは、この善光寺信仰が縁だったことはほぼまちがいない。そして真仏門下に多く門弟が生まれた。『親鸞聖人門侶交名牒』に掲載されている門弟の中では、真仏門下が圧倒的に多数となっており、彼らは「高田門徒」と呼ばれていた。
 高田門徒と長野善光寺とり繋がりを思わせるものは、右の本尊のほかに、仏前荘厳の行儀がある。高田派寺院の仏前生花は、「高田の一本松」と称して、苗木から育てた実生の若松一本を供えるのが定式となっているが、じつは善光寺本堂にも同じような一本松が仏前生供花となっている。高さ2メートル以上もある巨大な松で、面白いことに善光寺ではこれを「親鸞松」と呼んでいて、親鸞が善光寺へ参詣したときに供えたのに基づくと伝える。偶然の暗合とも思われない。どこまで古く遡れるかはわからないが、高田門徒と善光寺とのつながりを思わせる習俗として興味深い。」(上掲書180-2頁)


   *    *    *

なお、峰岸純夫氏の論文「鎌倉時代東国の真宗門徒ーー真仏報恩板碑を中心に」(北西弘還暦記念論集『中世仏教と真宗』所収、吉川弘文館、1985年)の註8により、親鸞と善光寺聖に関する研究にはどのようなものがあるか補っておきます。峰岸氏の註の引用にあたっては、内容に変更をきたさないと考えられる範囲で、表記を一部あらためてあります。
「荻原祐純「善光寺念仏について」(『長野』19号)は、善光寺の口称念仏が、法然門下の西山派証空、その弟子聖人(善光寺に入寺)によって広められたと述べ、千葉乗隆「信濃真宗寺院成立の系譜」(宮崎円遵博士還暦記念会『真宗史の研究』1966年)は、信濃における真宗普及の前提として、真宗と善光寺阿弥陀信仰のかかわりを述べている。平松令三「高田専修寺の草創と念仏聖」(赤松俊秀教授退官記念『国史論集』1972年)は、親鸞と東国布教と善光寺阿弥陀信仰との関係を考察し、親鸞も善光寺の本願聖人として勧進し、高田専修寺の一光三尊を作った可能性を示唆している。また岡田寿恵子「下野における真宗の展開」(『栃木県史』<通史編3・中世>の第二章四節、1984年)は、高田真仏を善光寺一光三尊の勧進聖に見たて、それが親鸞と接触することになったとしている。」

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テーマ:日本文化 - ジャンル:学問・文化・芸術

  1. 2006/09/13(水) 13:51:05|
  2. 仏教史&仏教思想
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:1
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