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白銀色の月光を浴びて、狂ってしまったのは世界?それとも私?

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『言葉と物』における「分類」

このブログでのフーコー『言葉と物』の分析、管理人の正確を反映してどうも脈絡のないものになってしまっているが、フーコーはもちろんハイデガーの問題設定に応答することを主目的として『言葉と物』を書いたわけではない。ハイデガーの問題は、やはりこの著作の隠れた主題というべきだろう。
そこでもう一度、このブログでも最初にとりあげた「分類」の問題にもどってみる。

17世紀~18世紀(フーコーのいう古典主義時代)にかけて、市民社会の成立という新たな社会状況に対応して、所有権の正当性や認識の根拠を問う論争が生じ、そのなかで、そうした正当性の問題に対する解決策として、起源をめぐる論争がさかんに行われるようになってくる。それに対する古典主義時代の解決策(解答法)は、時間による変化を重視するものと構造的なものとの二つがあるが、これは結局、この時代、そういう二つのパターンがあったとしかいえない性質のものである。現代に直接つながる19世紀の学問体系がみいだした解答は、こうした古典主義時代に見いだされた思考パターンとは全くことなっており、古典主義時代の知と19世紀以降の知には断絶があるーーこれがフーコーの『言葉と物』がまず第一に言おうとしていることではないだろうか。

『言葉と物』第五章「分類すること」では、この古典主義的な二つのパターンが具体的にわかりやすく紹介されており、フーコーの筆がさえている感じがする。
曰く、「(生物分類の可能性の問題については)リンネのように、自然がすべてひとつの分類法におさまると主張する者と、ビュフォンのように、そうした堅い枠組みにおさまるには自然はあまりにも多様で豊かだと主張する者とがいた。」(翻訳書149頁)
18世紀には、基本的に解剖学的を適用した生物分類が存在しないため、分類は、ひたすら生物の外形の類似や相違に着目して行われる。
たとえば、植物の場合であれば、花、葉、根などさまざまな機能をもった機関がその外側にあらわれるので「分類」しやすいが、動物の場合、外形だけからの分類というのは非常に困難だ(たとえば鯨と魚類をどのように位置づけるか。鳥類と四足獣のあいだでムササビをどのように位置づけるか。もう少し時間が経ってカントの時代になればカモノハシをどう位置づけるか)。
これは生物の例ではないが、フーコーは、たとえば、現代の科学者が行うように化石を過去の生物の残骸とするのではなく(=物としては鉱物)、鉱物と生物のあいだのミッシング・リングをつなぐ中間的存在物(=生物化しつつある鉱物)とする説をおもしろげに紹介している。
現代の生物分類法は基本的にリンネの体系的分類を引き継いでいるわけだが、ではリンネの分類法がビュフォンに比較して正しかったのかというと、フーコーは、それは偶然だとする。つまり、解剖学も遺伝学もない時点では、「種」の定義は本質的には不可能であり、18世紀人が考えていた「種」とわれわれが考える「種」とは異なる概念であり、「科」とか「属」とか、その用語だけが共通しているのだと。
ダーウィン以降、「種」という概念は、それ以前の「種」概念から決定的に差異化される。つまり、18世紀においては、「種」を区別することもしくは「分類」は、絵画のような静止的な一覧表のなかに存在するさまざまな生物にみられる類似と相違の言表(構造分類)であったものが、ダーウィン以降、「種」とは、とある共通した祖先からをもつ生物グループという新たな意味を与えられるようになる(=「種」は起源をもつ)。
われわれは、ダーウィン流の「分類」をあまりにも当然と受けとめている結果、リンネを読むときに、ダーウィンの「種」概念を遡及的にリンネに適用してしまうにすぎない。
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  1. 2005/10/03(月) 13:24:41|
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