le monde lunatique

白銀色の月光を浴びて、狂ってしまったのは世界?それとも私?

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ピエール・クロソウスキーーーサドとヴィトゲンシュタインを繋ぐ人物

ブレッソンのことを考えながらいろいろなサイトを検索しているうちに、『バルタザールどこへ行く』に粉屋の役で出演しているピエール・クロソウスキー(クロソフスキー)について研究している「Pierre Klossowski」というサイトに漂着した。そのサイトの記事のなかでは、クロソウスキーがなぜこの映画に出たのかわからないということだったが、クロソウスキーの弟に画家のバルテュスがおり、バルテュスの本名はバルタザール・クロソウスキーだというのがおもしろい。勝手な想像だが、たとえば、ブレッソンとクロソウスキーが話をしているうちに、バルテュスの話題になり、そこから、バルタザールという名前が出て来た(その縁でクロソウスキーも映画に出演することになった)といったことも考えられなくはないと思う(ちなみに、バルタザールとはキリスト生誕の際に、それを予見し祝って駆けつけた東方三博士の一人の名前。映画<ブレッソンのオリジナル・ストーリー>では、主人公となるロバが誕生の際にバルタザールと名づけられ、カトリックとしての洗礼を受ける)。

klossowski.jpg
ピエール・クロソウスキーとアンヌ・ヴィアゼムスキー(『バルタザールどこへ行く』より)

クロソウスキーの作品、私は代表作の『ロベルトは今夜』すら読んでいないのだが、「Pierre Klossowski」サイトに掲載されている年譜を読むと、サド研究の大家でもあり、このあたり、ブレッソンの人脈が一筋縄では説明できないということを示している。
そしてまた、このクロコウスキー自身がどうも一筋縄でいかない人らしく、年譜を読んでいたら、ヴィトゲンシュタインの『論理哲学論考』の仏訳者であるということに驚いた。『論理哲学論考』には私も一時はまったことがあるのだが、サドは知っているがヴィトゲンシュタインのことはよく知らないという方のために、『論考』からいくつかの命題を抜き出してみる。

「私の言語の限界が私の世界の限界を意味する。」(5.6)
「世界と生とは一つである。」(5.621)
「私は私の世界である。(ミクロコスモス。)」(5.63)
「思考し表象する主体は存在しない。」(5.631)
「神秘的なのは世界がいかにあるかではなく、世界があるということなのである。」(6.44)
「表明できない解答に対しては、その問も表明することができない。謎は存在しない。いやしくも問を立てることができるのなら、その問に答えることもできるのである。」(6.5)
「生の問題の解決を人が認めるのは、この問題が消え去ることによってである。」(6.521)
「だがしかし表明しえぬものが存在する。それは自らを示す。それは神秘的なものである。」(6.523)
「本来哲学の正しい方法は、語られうること、従って自然科学の命題、従って哲学とは何の関係もないこと、これ以外の何も語らない、というものである。」(6.53)
「私の命題は、私を理解する人がそれを通り、その上に立ち、それをのり越えていく時に、最後にそれが無意義であると認識することによって、解明の役割を果すのである。(彼は梯子をのり越えてしまった後には、それをいわば投げ棄てねばならない。)」(6.54)
「話をすることが不可能なことについては、人は沈黙せねばならない。」(7)
以上、奥雅博氏訳(『ウィトゲンシュタイン全集 1』所収、大修館書店)

このように抜き出してみると、ヴィトゲンシュタインの思想は、ブレッソンの思想とつかず離れずの関係にあるようにも読め、その仏訳者クロソウスキーの出演が、ブレッソンにとって何らかの特別の意味(記号性)をもっているように感じられるのである。
ちなみに、ヴィトゲンシュタインに関しては、デレク・ジャーマン監督の『ヴィトゲンシュタイン』という映画もある(1993年作品)。
いずれにしても、私には、サドとヴィトゲンシュタインを同時に視野におさめていたクロソウスキーという人が非常に興味深い。

【参照】
「Pierre Klossowski」サイト
「Pierre Klossowski」サイト~『バルタザールどこへ行く』
松岡正剛の「千夜千冊」サイト~『ロベルトは今夜』(クロソウスキー)
松岡正剛の「千夜千冊」サイト~『バルテュス』(ロワ)

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テーマ:哲学/倫理学 - ジャンル:学問・文化・芸術

  1. 2006/03/27(月) 12:18:15|
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